家庭のルール作り

中学生のスマホルールが守られないのはなぜ? 続くルールに変える4つのコツと記入用テンプレート

Minook 編集部公開 2026-10-25約7分で読めます公認心理師 監修済み

スマホのルールが守られないほんとうの理由
目次
  1. 1. 守られないルールに共通する3つの特徴
  2. 2. いまのルールを点検する表
  3. 3. あいまいなルールを「行動」に書き換える
  4. 4. 守れた日に気づいて声をかける
  5. 5. 親子の案を並べて決めるテンプレート
  6. 6. 例外の扱いを先に決めておく
  7. 7. ルールを決める4つの手順
  8. 8. よくある質問

この記事のポイント

  • 守られないルールは、あいまい・一方的・守れた日が見えないの3つがそろっていることが多い
  • 「使いすぎない」ではなく「夜10時に充電台に置く」のように、行動で書く
  • 守れなかった日より、守れた日に気づいて声をかけるほうが、ルールは続く

スマホのルールが守られなくなるのは、子どもの意志が弱いからではなく、ルールそのものが「あいまい」「親が一方的に決めた」「守っても何も起きない」形になっていることが多いからです。行動で書き直し、子どもに案を出してもらい、守れた日に目を向けると、同じ子どもでもルールは続きやすくなります。

スマホを持たせるときに、家族で約束を決めた。最初の数週間は守られていたのに、いつの間にか夜遅くまで触るようになり、注意すると「みんなそうしてる」と返ってくる。決め直しても、また同じことの繰り返しになる。そんな流れに心当たりのあるご家庭は多いと思います。

この記事では、守られないルールに共通する特徴、いまのルールを確かめる点検表、あいまいなルールを行動に書き換える例、親子の案を並べて決める記入用テンプレート、決め方の手順を用意しました。

1.守られないルールに共通する3つの特徴

ルールが続かない場合を見ていくと、ルールの中身や子どもの性格よりも、ルールの「形」に共通点があります。

1つ目は、あいまいであることです。「使いすぎない」「勉強を優先する」は、親と子で思い浮かべる中身が違います。親は「もう使いすぎ」と感じ、子どもは「まだ大丈夫」と感じる。そのずれが、毎晩の言い合いになります。

2つ目は、一方的であることです。親が決めて渡したルールは、子どもにとって「守らされるもの」になります。自分で言葉にしていない約束は、守る理由も自分の中にありません。

3つ目は、守れた日が見えないことです。守れなかった日には注意されるのに、守れた日には何も起きない。そうなると子どもにとってルールは、叱られるきっかけでしかなくなります。

ルールが続くかどうかは、中身の厳しさより、この3つの形で決まります。逆に言えば、形を直すだけで、同じ中身のルールでも続きやすくなります。

2.いまのルールを点検する表

まずは、いまのご家庭のルールを1つずつ次の表に当てはめてください。「いいえ」が多いルールから順に書き直すと、手をつけやすくなります。

いまのルールの点検表(記入用)
点検すること はい/いいえ メモ
時刻や場所など、誰が見ても同じように判断できる言葉で書いてある
子どもが自分の言葉で案を出している
守れなかったときにどうするかが、先に決まっている
守れた日に、親が気づいて声をかけている
親も守る約束が、一緒に書いてある
見直す日が決まっている

点検するのは、子どもが守れているかどうかではありません。ルールが守りやすい形になっているかどうかです。ここで「いいえ」がついても、親のやり方が間違っていたという意味ではありません。

3.あいまいなルールを「行動」に書き換える

あいまいなルールは、時刻・場所・回数など、親子で同じように判断できる言葉に書き換えます。次の書き換えは、よく見かけるルールの例です。

01

よくある言い方スマホを使いすぎない。

言い換えると平日は夜10時に、リビングの充電台に置く。

ポイント「使いすぎ」の判断を、時刻と場所の事実に置き換える

02

よくある言い方勉強を優先する。

言い換えると宿題が終わったことを親に見せてから、その日のスマホを使う。

ポイント優先順位ではなく、順番として決める

03

よくある言い方課金はしない。

言い換えるとお金を使うときは、使う前に親に相談する。

ポイント禁止だけにせず、困ったときに話せる道を残す

書き換えるときは、「〜しない」より「〜する」で書くのがコツです。「しない」は守れたかどうかが見えにくく、「する」は守れた瞬間がはっきりします。守れた瞬間が見えると、次につながります。

4.守れた日に気づいて声をかける

ルールを続けるうえで大切なのは、守れなかった日に叱ることよりも、守れた日に親が気づいて声をかけることです。

声かけは大げさでなくて構いません。「10時に置いてくれてたね、ありがとう」と、見たままの事実を伝えるだけで十分です。ほめ言葉を探すより、気づいたことを伝えるほうが、子どもには自然に届きます。

守れなかった日は、その場で長く叱らず、「明日は10時に置こうね」と次の行動だけを短く伝えます。守れなかった理由を聞くのは、落ち着いている週末などに回します。

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5.親子の案を並べて決めるテンプレート

ルールを一方的にしないためには、子どもの案と親の案を並べて書き、その間を取って決める方法が使いやすいです。下の表を印刷するか、コピーして家族のメモアプリに貼ってください。

わが家のスマホの約束(記入用)
決めること 子どもの案 親の案 決めた約束
平日に使う時間帯
寝る前に置く場所
お金を使うとき
SNSに載せないもの
困ったことがあったとき
親も守ること
見直す日

以下は架空の記入例です。中学1年生の子どもと保護者が話し合った場合を想定しています。

わが家のスマホの約束(記入例・架空)
決めること 子どもの案 親の案 決めた約束
平日に使う時間帯 夜11時まで 夜9時まで 宿題のあと、夜10時まで
寝る前に置く場所 自分の部屋 リビング 夜10時にリビングの充電台へ
お金を使うとき 自分のお小遣いなら自由 使わない 使う前に親に相談する
SNSに載せないもの 顔が写った写真 学校名・家の場所 顔・学校名・家の場所は載せない
困ったことがあったとき 友だちに相談する すぐ親に言う 親に話しても、すぐに取り上げない
親も守ること 食事中はスマホを見ない 食事中はスマホを見ない 食事中は家族全員スマホを置く
見直す日 夏休み前 1か月後 1か月後の日曜日

記入例の「困ったことがあったとき」の欄に注目してください。親が「すぐ親に言う」と求めるだけでは、子どもは「話したら取り上げられる」と考えて黙ってしまいます。話しても取り上げないと親の側が約束すると、子どもは困ったときに相談しやすくなります。取り上げについて詳しくは、スマホやゲームの取り上げは逆効果? 裏目に出やすい条件と、取り上げる前に家庭で決めておきたいことで扱っています。

6.例外の扱いを先に決めておく

テスト前、長期休み、友だちと約束しているオンラインの対戦など、ルールどおりにいかない日は、どの家庭にもあります。例外のたびに親がその場で判断すると、子どもからは「親の機嫌で変わる」ように見え、ルールが崩れるきっかけになります。

例外は、あらかじめ「どんな日に」「どこまで」を決めておきます。たとえば「週末は夜11時まで」「友だちと約束した対戦は、事前に伝えれば30分延長できる」のように、例外そのものを約束の中に書いておくと、例外が「なし崩し」ではなく「約束どおり」になります。

7.ルールを決める4つの手順

最後に、初めてルールを決めるとき、または決め直すときの進め方です。

ルールを決める進め方

  1. 子どもの案から聞く

    テンプレートの「子どもの案」の欄を、先に子どもに埋めてもらいます。親の案は、そのあとに出します。

  2. 違いを並べる

    子どもの案と親の案が違う欄を確かめます。違うのは自然なことなので、どちらが正しいかは決めません。

  3. 間を取って決める

    理由を聞き合いながら、「決めた約束」の欄を一緒に埋めます。親の心配は、責める言葉ではなく「心配」として伝えます。

  4. 試す期間を決める

    まずは2週間など、試す期間を決めて始めます。うまくいかなかったら、見直す日に直せば大丈夫です。

スマホのルールが守られないと、親は「もっと厳しくすべきか」と考えがちです。けれど、続くかどうかを決めるのは厳しさではなく、行動で書かれているか、子どもの言葉が入っているか、守れた日が見えているかという、ルールの形のほうです。形は、今週末の話し合いからでも変えられます。

8.よくある質問

契約書や誓約書のような形にしたほうがいいですか?
紙に残すこと自体は、言った・言わないを防げるのでおすすめです。ただ、罰則を並べた契約書のような形にすると「守らされるもの」になりやすいので、子どもの案が入った約束として残すのがよいと考えています。
「友だちはみんな自由に使っている」と言われます。
よその家と比べるより、わが家で大事にしたいこと(睡眠や家族の時間など)を理由として伝えてください。そのうえで、子どもの言い分のうち取り入れられるものは約束に入れると、話し合いになりやすくなります。
1日何時間までにするのがよいですか?
時間の長さだけで決めるより、睡眠や学校生活に影響が出ていないかを目安に考えてください。時間よりも「何時までに」「どこに置くか」を決めるほうが、守れたかどうかが分かりやすくなります。
決めたルールを何度も破ります。
何度話しても守れないときは、ルールが今の生活に合っていない可能性があります。破ったことを責めるより、どこで守れなくなるのかを一緒に確かめ、守れる形に決め直してください。

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運営者

安藤 令奈公認心理師

久里浜医療センター「インターネット/ゲーム依存の診断・治療等に関する研修」修了。東京大学大学院 修了。

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